庭長の職人たち
2018-08-23

進化する技術

ICT施工って聞いたことありますか?

こんにちは、人事担当の廣部です。台風19号と20号が同時に日本に近づいており、また大雨の予報が出ています。被害が出ないことをお祈りいたします。さて、ICT施工って聞いたことありますか?そもそも施工を取ってICTだけでも聞いたことないと思う方もいらっしゃるかと思います。ICTは、ほぼITと同義で、ITであれば多くの方が耳にしたことが有る言葉なのではないでしょうか。つまりICT施工とは、建設現場において情報伝達技術を活用した工事の方法なのです。ICTを取り入れることで、作業現場の安全性・効率性・生産性・環境性などを向上させて、建設業を魅力的なものにしようと、国土交通省もICT施工を推進しています。

ドローンも活躍!ICT施工の具体例。

最初の写真は最近話題のUAV(ドローン)です。これもICT施工で大活躍してくれます。実際に南香園が行っている工事で使用したものなのですが、工事を始める前の現状の地形図を作成するために、このドローンを飛ばしました。ドローンの飛行も手動ではなく、GPSで座標を指定し、自動で飛行を行います。ドローンが飛行したGPSデータと撮影写真を解析して、3D図面を作成します。そこに計画図面を重ね合わせると、どこをどれだけ掘ればよいのか一目で分かるようになります。さらに、実際に機械を使って掘るときも、機械がGPSを受信して、現在機械がいる場所ではどれだけ土を掘ればいいのか機械が判断してくれますので、ミスもなくなりますし、機械に乗らない補助作業員も不要になりますので万が一の事故もなくなります。さらに、従来ですと、丁張りという施工の目安となるものを測量しながら設置する必要があったのですが、GPSの管理によりこれも不要となりますので、施工の効率性も向上しますし、作業人数も減らせます。このようにICT施工は建設現場を大きく変える可能性を持っていると言えるのではないでしょうか。・・・しいて課題をあげれば、造園建設業は住宅街での工事も多く、そういったところではドローンの飛行が出来ない場所もあったり、比較的小規模な工事が多い造園建設業では、ICT施工にかかる固定的な費用が、ICT施工による生産性の向上よりも大きいことがあげられます。ICT施工が普及して経済性も向上し、ドローンに代わる測量方法が確立されるとさらに現場環境は良くなっていくだろうと思います。

技術は常に進化しています。

上記の写真は何だと思いますか?ラジコンで遊んでいるわけではありません。実はこれ自動芝刈機なんです。雑草のような背丈の高いものには対応していないですが、これもGPSで管理されて自動で芝を刈ってくれます。個人のお庭ですとか、誰も入ってこないところなど、使用場所での制約はありますが、人手不足とよく言われていますが、人じゃないと出来ない仕事とロボットでも出来る仕事が分けられれば、作業環境が今までよりもずっと良くなっていくと思います。
こうして、様々な場所で技術は進化していますが、良く考えると今当たり前に行っていることだって少し前なら考えられないような技術であったのだろうと思います。図面にしても、昔は手書き、今はCADを使うのが当たり前、それが前述したように将来的にはドローンで自動で作図となるかもしれません。今は重機を使うのが当たり前ですが、昔は人力でした。将来的には人が乗らずとも自動で重機が動いてくれるでしょう。木の剪定にしても、昔は木に登って(今でも条件によってはしていますが)いましたが、今では安全性を考慮して高所作業車という車を使うことも増えています。これももしかしたら将来はドローンに鋏などがついて、自動で剪定してくれるようになっているかもしれません。

さいごに

ここまで技術の進化による建設現場でのICTの導入などについて触れてきましたが、それでも特に造園建設業においては人間の感覚が非常に大事なことはいつまでたっても変わらないと思います。造園建設業は生き物である植物を扱う建設業です。植物は同じ種類でも1つ1つ形が違ったり、枝の付き方が違ったりと全く同じものはありません。ただ植えるだけなら将来はもしかしたらロボットがやってくれるかもしれませんが、どの向きで植えるのが美しいか、景観を生かせるかという判断はやはり人間の感覚が大事だと思います。しかもその感覚とは人によって異なるもので、極端に言うと正解というものが無いとも言えます。昔から伝わる伝統技術と一人一人が持つ感覚、そして最先端の技術を織り交ぜて働けるというのも造園建設業の魅力なのではないかなと思います。

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